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就・転職の選択肢が増えている。 どちらかといえば、厳しさのみが多く語られる就・転職戦線だが、実は、ここ数年で大きく変貌。応募者側には、自分に合った会社探しや、こういう会社なら”絶対に入りたい!“と思えるような、そんな新制度を導入した会社が驚くほどの勢いで増えている。 わかりやすい例でいえば、成果主義などはまさにそう。すっかり聞き慣れてしまって、今さらなんの新鮮さもない言葉になってしまったが、かつてはどの企業も一律に終身雇用・年功序列の人事制度を導入していたことを考えれば、それこそ激変。既存の人事制度ではとても能力を活かせない、あるいは、納得して働けないという人たちにとっては、理想的な制度が登場したことになる。 そう分析するのは、銀行系シンクタンクの調査研究員。この調査研究員によると、こうした変化、変貌をうまく活用すると、これまでなかなか巡り会うことのできなかった“理想”の会社、“絶対に入りたい!”会社に巡り会える可能性がグッと増えるとのこと。マイナス面ばかりに目を向けず、そうしたプラス面にもしっかりと目を向けることが大事だという。 耳を疑ってしまいそうなコメントだが、事実、求職者を取り巻く環境は、着実にそうした動きを見せ始めているとはっきり明言。事実、新しい形で夢を形にした就・転職者たちが多く出ていると指摘する。
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このシンクタンク調査研究員の指摘はこうだ。 まず、窓口については、かつて正社員採用については企業側からの定期的な募集や欠員募集のための募集を待つのが常識だったが、今ではアルバイトやパート、場合によっては派遣社員からの登用も急増。以前とは比較にならないほど“正社員への道”が広くなっている。事実、顧客確保にしのぎをけずる外食フード産業などでは、アルバイトに時給1000円はおろか、成績次第で2000円、3000円を支給するといったところが増加。東京近郊の外食フードチェーン店では、なんと年収1000万円を超えるスーパー・アルバイターがついに登場し話題になった。もちろん、本人の希望で正社員化も可能。かつては考えられなかった動きのひとつとして注目される。 「これはまだ都市部に限られたことかもしれませんが、いずれ全国へと広がることは必至。企業側にとっては、いくら人件費を押さえたいとは言え、数千万円、数億円の売上げをコンスタントに上げる優秀な人材は、いくらお金をかけてでも登用したいという思惑があるわけです。アルバイトで年収1000万円というのは確かに例外的なケースかもしれませんが、大手などでも優秀な他社の技術者を、数千万円、数億円の契約金を支払って引き抜くところもあるくらい。やる気と成果さえ見せれば、たとえどんな窓口からも目的地に辿り着けるようになりつつあるというのが今の状況なんです」時給700円、800円のアルバイトからはじまって、やがては年齢にかかわらず月収数十万円をゲット。その先に、さらに店長への起用や取締役への抜擢など、まるでどこか遠くの国のサクセスストーリーのような、まず“絶対にあり得ない”とされた展開が今は現実のものとしてある。 「重要なのは、大手といわれる社員数千人規模の会社でも、こうしたことが起こり始めているということ。実際に、先頃設立された大手家電メーカーと重工業の合弁会社でも、そのトップに起用されたのは総合職採用外の社員。もともと倉庫の警備から駆け上ってきた叩き上げの社員がその実績と腕を買われて経営トップに躍り出ているんです。採用の窓口がどうで、雇用形態がどうだったかなんて、まるで無関係。要は、そこからどんな成果を挙げて、希望の仕事、希望の雇用形態をつかむかにあるんです。この時期は、特にそうした窓口、目標へのルートが様々出てきているのですから、これはもう迷うことなくアプローチ。“プロセスはどうでも、目標にたどり着けばそれでいい!”といった強い気持ちで就・転職に臨む方法もあると思うんです」また、こうした人材起用だけでなく、企業各社はそれぞれ再生を期して基幹システムの改革にも着手。意志決定のスピードを早めたいとする企業の中には、これまでの中間管理職を大幅に削減し、経営トップと現場社員がダイレクトに結ぶシステムを導入するところが後を絶たない。風通しのいい職場、成果がすぐ評価される職場を望むなら、こうした社内改革を全面に押し出した企業を選択。求人に備えればいい。 他にも、生産拠点を中国をはじめとした人件費の安い国に移管する代わり、技術開発力にこれまで以上の資本と人材を投入するという企業も続出。技術力で勝負したいという人にとっては、必ずしも逆風ではない状況になりつつある。「技術開発の分野で秀でた商品を開発した人には、多額の報奨金などで報いようというのが企業の潮流。かつては考えられなかったことが次々起こっているのでいるのですから、そうした多様性にしっかりと目を向けるべきです」 そこに見えるのは、窓口も様々なら、飛躍へのプロセスも様々な企業の動き。これからは、そうした企業動向をどう活用し、目的達成に役立てるかが、就・転職志望者にとっての大きな課題になりそうだ。 その意味でも、新しい人事制度や、システム改革に取り組む先進企業の動きには絶えずチェック。どう役立つのか考えよう。その積み重ねこそが、“絶対に入りたい!”会社に直結。サクセス・ストーリーのきっかけになる! これが私たちの“絶対に入りたい!”会社像
経験者が語る 泥沼からの生還術
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